【vol.7】ロボットを利用し、抗体やタンパク質精製をオートメーション化してみよう!

Biotage Japan ライフサイエンスブログ

Automated Protein Purification with Biotage Dual Flow Chromatography PhyTip Columns on the OT-2
Paper(pdf)
opentrons

 

ライフサイエンスに関連するトピックを毎月お届け致します。Small-scale で多くのサンプルを同時に検証する「条件検討」や「high-throughput screening」を目的とする研究員の方々にピッタリの話題です。

創薬にかかるコストは、この 20 年間で高騰をつづけています。バイオ医薬品の開発事業はコストを下げ、着想から上市までの期間をいかに短縮できるかが重要になってきています。AI をつかった創薬アプローチにも各企業が期待を寄せているのは、みなさんもご存知だと思います。7回目となる今月は、実験オートメーションが「これらの課題」をどのように解決していくかを紹介します。

 

ご存知のようにオートメーションには、さまざまなレベルがあります。実験、データの取得や評価もおこなう「ワークフローの自動化」など、その定義は段階により異なってきます。専門的な技術は必要だけれども単調でミスが起こりやすい「ルーティン実験」をひとではなく、ロボットが代行すれば人件費の削減にかぎらず「時間の有効活用」が実現するでしょう。さらに実験をおこなった研究員の『作業の違い』による影響が減少し、研究室間の『再現性』が高まることがあげられます。これは開発プロセスに入る前に異なる複数の研究員が独立して確認しておくべき重要な作業です。

「今日もルーティンかぁ…、気を抜いてミスすると最初からやり直しだからなぁ…。」

「誰か代わりに頼みたいけど、再現性の問題があるから、やっぱり自分でやらないとなぁ…。」

「このルーティンがなければ、データのまとめや仲間とのディスカッションに時間を割けるんだけどなぁ…。」

このような『再現性と時間』という悩みを良く耳にします。

 

さらには「small-scale で多くのサンプルを取りあつかうには、現在のシステムでは効率が悪い…。」

「条件検討など実験の最適化を図るには small-scale で手軽に、かつ正確に精製できるシステムを確立したい…。」

などのシステムや実験的な悩みも数多くあることが現状です。

 

そこで、ピペット・チップ型カラムである Biotage® PhyTip をロボットに搭載し自動化することで、再現性、時間や実験の「悩み」を解決へと導きます。

 

今回は Biotage®と opentrons のコラボレーションによる実験オートメーションの例を紹介します。スケールは中程度になりますが、これから自動化システムの導入を考えられている研究員の方々の参考になると考えております。このアプリケーション・ノートでは Biotage PhyTip®カラムをopentrons OT-2 に搭載し抗体精製、His タグ付きのタンパク質精製にくわえ IP(免疫沈降)実験をロボットが代行しおこないました。

 

このような実験を「ひとつずつ」マニュアルで検証していくと莫大な労力、時間や資金を要します。それゆえに「同じ条件」で「再現性高く」これらのステップをおこなうには、ロボットによるオートメーションが求められてくるでしょう。このような要求に応えられるよう、わたしたち Biotage®はロボットによる自動化に適した製品を数おおく提供しています。PhyTip®カラムは抗体、AAV やタンパク質の精製に適した製品であり、さまざまなアプリケーションに対応しているので、主要なリキッド・ハンドリング・システムに搭載することで自動での精製を手助けします。PhyTip®カラムは「Lab automation」を推しすすめ、研究者をルーティンから解放することで「貴重な時間」を提供しています。

参考文献
Automated Protein Purification with Biotage Dual Flow Chromatography PhyTip Columns on the OT-2
Paper(pdf)
opentrons

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