IMAC PhyTip® Columns

IMAC ピペット・チップ型 PhyTip® カラム (His-tag タンパク質の精製用)
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機能的なタンパク質であるかを評価するため、おおくの研究者は small-scale で発現確認や精製を簡便におこなえる手法を好みます。例えば、興味あるタンパク質にtagを付けて大腸菌、無細胞系や培養細胞に導入し過剰発現させ、His-tag タンパク質の抽出と精製をこころみます。

 

この実験系で IMAC(Immobilised Metal Affinity Chromatography)とりわけ His-tag タンパク質のアフィニティー精製は、ライフサイエンスにおいて汎用されるアプリケーションです。

ヒスチジン残基が cluster をつくると金属イオンへの高いアフィニティーを示すことが知られています。つまり金属イオンとヒスチジンに錯体をつくらせ、His-tag タンパク質を分離します。

 

良く利用される His-tag は 6 個が連なっているもの(6x)であり、分子量は 0.8 kDa になります。この tag は興味あるタンパク質の N または C 末端に置かれ recombinant proteins として細胞内でつくられます。このテクニックにより、研究者は細胞からの lysate に含まれる数万の endogenous proteins から「tag された」recombinant proteins のみを精製することが可能になります。

 

His-tag を興味あるタンパク質に付けるメリットを以下に記します…、

 

  1. 特異的な抗体を作製せず、市販されている抗体でターゲットを検出できること。
  2. 短い配列で機能するため、tag 配列をプライマーに導入し PCR で簡便に作製できること。
  3. 興味あるタンパク質のフォールディングや生理活性を阻害しにくいこと。
  4. 高濃度の塩や変性剤の存在下でも tag による精製ができること

わたしたち Biotage は、独自の技術 Dual Flow Chromatography を備えたピペット・チップ型の PhyTip®カラムに Ni-IMAC アフィニティ・レジンを搭載しました。これにより「吸引・吐出」のサイクル数や flow rate を自由自在にコントロールすることで、His-tag タンパク質の精製に適した条件を探ることが容易になります。IMAC PhyTip®カラムを利用することで、以下に記す3つのことを容易に実現できるようになります。

 

① Capture → Wash → Elution の各種ステップの条件検討(最適化の模索)

② 機能的なタンパク質であるかを評価するための少量精製

③ 各社リキッド・ハンドラーに装着することで、タンパク質精製の high-throughput を自動化

 

ゲルろ過やイオン交換クロマトグラフィーと組みあわせることでwork-flowの最適化を図れます。small-scale で多くのサンプルを取りあつかう研究員たちの頼もしい味方となるでしょう。

IMAC PhyTip®カラムは効率良くHis-tagged proteinsを精製します

[ サンプル情報 ]

5 µg の His-tagged Fab と 1 mg の BSA を含むサンプル溶液を IMAC PhyTip カラムで精製。

[ バッファー情報 ]

  • Equilibration, capture & wash ; 5 mM imidazole in phosphate buffer
  • Elution ; 10 mM NaH2PO4, 0.3 M NaCl & 200 mM Imidazole (pH7.4)

[ His-tagged Fab の精製条件 ]

    1. Equilibration ; 平衡化バッファーを用い、IMAC PhyTip カラムを平衡化するため「吸引・吐出」サイクルを2回くり返す(flow rate; 500 µL/min)。
    2. Capture ; サンプル溶液からターゲットを効率良くレジンへ吸着させるため「吸引・吐出」サイクルを4回くり返す(flow rate; 500 µL/min)。
    3. Wash 1 & 2 (purify) ; 洗浄バッファーを用い、非特異的にレジンへ結合するタンパク質やその他のゴミをとり除くため「吸引・吐出」サイクルを2回くり返す(flow rate; 500 µL/min)。洗浄バッファーを交換し、おなじ作業をさらに2回くり返す。
    4. Elution (enrich) ; 溶出バッファーを用い、レジンに特異的に結合したHis-tagged Fabを溶出するため「吸引・吐出」サイクルを4回くり返す(flow rate; 500 µL/min)。

[ 実験結果の考察 ]

CBB 染色の結果、一本のクリアなバンドを検出することができました。50 %以上の His-tagged Fab の回収率で 95 % 以上の純度であることもわかりました(図参照)。

レーン1 ; 分子量マーカー
レーン2-5 ; IMAC PhyTip カラムで精製した His-tagged Fab

biotage phynexus IMAC

注文情報

200 µL format

PTR-92-05-03    PhyTip® 200 µl format, 5 µl Ni-IMAC (96/pk), MEA

PTR-92-20-03    PhyTip® 200 µL format, 20 µL Ni-IMAC (96/pk), MEA

 

1,000 µL format

PTR-91-10-03    PhyTip® 1 ml format, 10 µl Ni-IMAC (96/pk), MEA

PTR-91-20-03    PhyTip® 1 mL format, 20 µL Ni-IMAC (96/pk), MEA

PTR-91-40-03    PhyTip® 1 mL format, 40 µL Ni-IMAC (96/pk), MEA

PTR-91-80-03    PhyTip® 1 mL format, 80 µL Ni-IMAC (96/pk), MEA

PTR-91-16-03    PhyTip® 1 mL format, 160 µL Ni-IMAC (96/pk), MEA

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