C18 PhyTip® Columns

C18 ピペット・チップ型 PhyTip® カラム (ペプチド・タンパク質の精製用)
biotage_phynexus
biotage_phynexus C18

質量分析を利用したタンパク質の同定はポピュラーなツールであるため、おおくのアカデミア、製薬企業やスタートアップでバイオ医薬品の開発などに汎用されています。

このアプリケーションを手作業でおこなうとすると、およそ1日半の時間を要します(トリプシン消化処理 → ペプチドの精製と脱塩)。このワーク・フローのオートメーションは現在のところ限定的であり、サンプル数が増えれば、増えるほど時間と労力がかかるのが現状です。

 

タンパク質の同定を試みるため、目的の産物が変性しても構わないとき(質量分析用の精製ステップなど)、逆相クロマトグラフィーは容易で効果的な分離が期待できます。

逆相クロマトグラフィーに利用されるレジンは、カラム基材に疎水性官能基が高密度に共有結合しています。ペプチドやタンパク質はこの疎水性表面に結合するため、疎水性の高いものほどカラムによく保たれるので、溶出時間にも時間がかかります。充填剤の吸着率は C18 > C8 > C4となるので、ペプチドやタンパク質の疎水性を事前に検討し、カラムを選択する必要があります。ペプチドやタンパク質のカラムへの吸着は、分子量が影響を及ぼします。それゆえに、ペプチドや 20 kDa 以下のタンパク質には C18、分子量 50 kDa 以上のタンパク質には C4 を選択すると効率良く興味のある産物を吸着させることができます。

 

多孔性のレジンは、官能基をふくむ表面積が広いので、結合容量が高くなります。またレジンの細孔(pore)のサイズにより、精製できる分子の大きさが変わってきます。それゆえに、大きな分子の精製を試みるとき、その分子が侵入できうる細孔サイズをもつレジンでなければ、結合の効率が低下します。小さな分子の精製を試みるときは、その分子が入り込める小さな細孔サイズを選ぶことで、大きなものを除外することができます。

 

例えば細孔 90 Å をもつレジンは、タンパク質や大きなサイズのペプチドを排除することができるので、小から中サイズのペプチドの精製に最適です。それゆえに、ペプチド・マッピングの前処理としてトリプシン消化処理後の精製ステップで効果を発揮します。

 

C18 PhyTip®カラムを利用するメリットを以下に記します…、

 

1、ペプチドやタンパク質への高い結合力を示すこと。

2、貴重なサンプルのロスを防ぐこと。

3、質量分析に利用できうる、さまざまな溶媒での溶出が可能であること。

 

わたしたち Biotage は、独自の技術 Dual Flow Chromatography を備えたピペット・チップ型の PhyTip カラムに C18 レジンを搭載しました。これにより「吸引・吐出」のサイクル数や flow rate を自由自在にコントロールすることで、ペプチドやタンパク質の精製に適した条件を探ることが容易になります。C18 PhyTip カラムを利用することで、以下に記す3つのことを容易に実現できるようになります。

 

① Capture → Wash → Elution の各種ステップの条件検討(最適化の模索)

② 機能的なタンパク質であるかを評価するための少量精製

③ 各社リキッド・ハンドラーに装着することで、サンプル調整の high-throughput を自動化

 

Trypsin PhyTip®カラムと組みあわせることで work-flow の最適化を図れます。small-scale で多くのサンプルを取りあつかう研究員たちの頼もしい味方となるでしょう。

C18 PhyTip®カラムはペプチドやタンパク質のロスの軽減に寄与します

[ サンプル情報 ]

90 Å と 300 Å の C18 PhyTip カラムと C18 ZipTip(Sigma)を利用し、少量の Cytocrome C の精製をおこないました。


biotage phynexus C18

[ 実験結果の考察 ]

90 Å と 300 Å の C18 PhyTip カラムは、ZipTip とおなじように 80 % 以上の Cytocrome C の回収率を示しました(表参照)。

C18 PhyTip®カラムは質量分析に利用されるさまざまな溶媒での溶出が可能です

脱塩したペプチドを質量分析にかけるには、最適な溶媒にペプチドを溶解する必要があります。ESI-MS を利用するときには electrospray を効率良くおこなうため、TFA より formic acid の使用が向いています。

[ サンプル情報 ]

90 Å の C18 PhyTip カラムを利用し、Cytocrome C の精製を異なる溶媒と酸の組みあわせでおこないました。

グラフ
biotage phynexus C18

[ 実験結果の考察 ]

70 % の ACN をベースとした溶出バッファーを利用することで、高い回収率を示します。これと同程度の結果を得るには 90 % の MtOH をベースにした溶出バッファーを利用する必要があります(グラフ参照)。

注文情報

200 µL format

PTR-92-05-18  Reverse phase PhyTip® 200 µl format, 5 µl C18 (90 Å), (96/pk), MEA2

PTR-92-20-18  Reverse phase PhyTip® 200 µL format, 20 µL C18 (90 Å), (96/pk), MEA2

 

PTR-92-05-19  Reverse phase PhyTip® 200 µl format, 5 µl C18 (300 Å), (96/pk), MEA2

PTR-92-20-19  Reverse phase PhyTip® 200 µL format, 20 µL C18 (300 Å), (96/pk), MEA2

 

1,000 µL format

PTR-91-10-18 Reverse phase PhyTip® 1 ml format, 10 µl C18 (90 Å), (96/pk), MEA2

PTR-91-20-18 Reverse phase PhyTip® 1 mL format, 20 µL C18 (90 Å), (96/pk), MEA2

PTR-91-40-18 Reverse phase PhyTip® 1 mL format, 40 µL C18 (90 Å), (96/pk), MEA2

PTR-91-80-18 Reverse phase PhyTip® 1 mL format, 80 µL C18 (90 Å), (96/pk), MEA2

PTR-91-16-18 Reverse phase PhyTip® 1 mL format, 160 µL C18 (90 Å), (96/pk), MEA2

 

PTR-91-10-19 Reverse phase PhyTip® 1 ml format, 10 µl C18 (90 Å), (96/pk), MEA2

PTR-91-20-19 Reverse phase PhyTip® 1 mL format, 20 µL C18 (90 Å), (96/pk), MEA2

PTR-91-40-19 Reverse phase PhyTip® 1 mL format, 40 µL C18 (90 Å), (96/pk), MEA2

PTR-91-80-19 Reverse phase PhyTip® 1 mL format, 80 µL C18 (90 Å), (96/pk), MEA2

PTR-91-16-19 Reverse phase PhyTip® 1 mL format, 160 µL C18 (90 Å), (96/pk), MEA2

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