Gel Filtration : Desalting & Buffer Exchange PhyTip® Columns

脱塩・バッファー交換; ゲルろ過 ピペット・チップ型 PhyTip® カラム
biotage_phynexus gel filtration
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ゲルろ過 PhyTip®カラムは、ピペット・チップにレジンを搭載したユニークな SEC(Size Exclusion Chromatography)です。レジンは上下のスクリーンに挟まれているので、漏れだし失うことはありません。スクリーンの素材は親水性のため、少量のバッファーで全体をカバーするため、貴重なサンプルの「ロス」を抑えられます。

ゲルろ過 PhyTip カラムでは、塩などの小分子はレジンの「小さな穴」に入りこみ、通過するのに時間がかかるため、ゆっくりとカラムから溶出されます。一方で抗体などのより大きな分子は、そこに侵入できないため、カラムから速やかに溶出されます。

このユニークなピペット・チップ型のゲルろ過 PhyTip カラムを利用することで、迅速にかつ正確に 95%以上の塩を除去するだけでなく、80%以上のタンパク質の回収に成功しました。

抗体の凝集は、抗体医薬の安全性における重大な問題のひとつです。この問題をクリアするため、研究者は異なる条件や多岐にわたる手法で医薬の安全性を分析評価します。毒性のある塩を取り除くバッファーの置換などの前処理には、多大なる時間と労力を必要とします。

そこで、ゲルろ過 PhyTip カラムと電動ピペットを組みあわせることで、12サンプルを約30分、96サンプルを約3時間で処理できます。さらにゲルろ過 PhyTip カラムは、ピペット・チップ型のため8、12 や 96 チャンネル・ ヘッドを備えもつ各社のリキッド・ハンドラーとの相性が良く、自動化 High-throughput に対応しますので、迅速かつ正確な前処理を必要とする研究員の頼もしい味方となるでしょう。

ゲルろ過 PhyTip カラムを利用することで、サンプル前処理の手間と時間を減らし、毒性試験などの分析評価へスムーズに駒をすすめることができるでしょう。

特徴

  1. 95% 以上の塩を除去、80% 以上のタンパク質の回収率
  2. 自動化 High-throughput への対応
  3. 上から下への自由落下(吸引・吐出ではない)
  4. 抗体やタンパク質の機能を損なわず分離
  5. 高い再現性(少ないサンプル間のバラつき;10% 以下の CV)

IgG をゲルろ過 PhyTip®カラムで色素から分離し、回収した実験の例

[ 条件 ]

  1. ゲルろ過 PhyTip カラム(1 mLチップに 200 µL の 5K レジンを搭載)
  2. IgG(2 mg/mL)
  3. PBS(カラムの平衡化とチェイサー)

[ 実験手順 ]

  1. PBS でゲルろ過 PhyTip カラムを平衡化
  2. 40 µLのIgG(2 mg/mL)をカラムへ注入
  3. チェイサーとして130 µL の PBS をカラムへ注入
  4. サンプルの回収

biotage phynexus gel filtration

[ 実験結果の解説(表参照)]

平均して70 %以上の IgG 回収率で濃度は、0.5 mg/mL に達することがわかります。デッド・ボリュームが少なく、最終的な量は平均して121 µL 回収しています。IgG の回収率と濃度にくわえ、最終的な回収量の全てにおいて、バラつき(CV値)がとても少ないことがわかります。

タンパク質をゲルろ過 PhyTip®カラムで塩から分離し、回収した実験の例

[ 条件 ]

  1. ゲルろ過 PhyTip カラム(1 mL チップに 600 µL の 5K レジンを搭載)
  2. Myoglobin(16.7 KDa; 茶色)
  3. DNP-glutamate(313 Da; 黄色)
  4. PBS(カラムの平衡化とチェイサー)

[ 実験手順 ]

  1. PBS でゲルろ過 PhyTip カラムを平衡化
  2. 200 µL のサンプル溶液(Myoglobin + DNP-glutamate の mixture)をカラムへ注入
  3. チェイサーとして100 µL の PBS をカラムへ注入
  4. 2-3 分おきにサンプルをチューブに回収

biotage phynexus gel filtration

[ 実験結果の解説(図参照)]

A; 200 µL のサンプル溶液
B; サンプル注入後に回収したフロー・スルー
C-F; 100 µLの PBS を加えた後に回収した溶液
G; 400 µL の PBS を加えた後に回収した溶液

サンプルをゲルろ過 PhyTip カラム注入した後、2-3 分の間隔で PBS をカラムに注入し、溶出してくる液滴をエッペンに回収しました。フラクションの 2から 4まで Myoglobin(茶色)が溶出し、それ以降の5と6のフラクションには、DNP-glutamate(黄色)が溶出してきました。Myoglobin はレジンの「小さな穴」に侵入できずに速やかに溶出してきましたが、DNP-glutamate は、レジン内へ入りこむため、ゆっくりと溶出してきました。

自動精製装置との組み合わせ

自動精製装置と組み合わせ、多検体の同時処理が可能

12サンプルのAAVを30分で精製
他社製のliquid handler
    • HAMILTON
    • BECKMAN COULTER
    • TECAN
    • PerkinElmer
    • Agilent Technologies

注文情報

 

製品番号 チップサイズ 製品名 数量
PDR-91-20-06 PhyTip® 1 mL format     5K Gel Filtration (96/pk) 96
PDR-91-20-17   30K Gel Filtration (96/pk)
PDR-91-60-06     5K Gel Filtration (96/pk)
PDR-91-60-17   30K Gel Filtration (96/pk)

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