スカベンジング SPE のガイドライン

一般的なスカベンジング SPE 法は次の手順で行います。

  1. 反応溶液(サンプル)の事前調製
  2. カラムの溶媒和
  3. カラムの平衡化
  4. サンプルの注入

1.反応溶液(サンプル)の事前調製

キャッチ&リリースSPE法と異なり、スカベンジングSPEにおけるサンプルの事前調整では、目的とするターゲット化合物以外の不純物と充填剤の相互作用を促進させるために行います。サンプルの事前調製にはサンプルの粘性や溶媒極性、イオン強度を下げるための希釈操作が含まれます。

サンプルの極性を低減させるために、より低極性の溶媒で希釈します(ターゲット化合物が沈殿しないよう注意してください)。あるいは、サンプルを蒸発させ、残留物を適切な溶媒に再溶解して溶媒を交換する方法もあります。

2.カラムの溶媒和

カラムの溶媒和はSPEカラムの充填剤と、サンプル中に含まれる不純物を効果的に相互作用させるために必要です。カラムにメタノールやアセトニトリル、もしくは他の有機溶媒を通液し、充填剤を濡らすことにより、ターゲット化合物と充填剤の適切な相互作用が可能になります。溶媒和における一般的な溶媒量は、充填剤1gあたり5~10mLです。

3.カラムの平衡化

カラムの平衡化は、溶媒和の後の「ノーマライズ」のステップで、サンプル注入の際の保持効率を最大にします。カラムの平衡化はサンプル溶液に似た溶媒によって行われます。サンプルが有機溶媒または有機混合液の場合、カラムの平衡化にはサンプルと同じ溶媒を使用します。サンプルの事前調整で低極性溶媒による希釈を行っている場合にも、平衡化はサンプルと同じ溶媒で行います。平衡化に使用する溶媒量は充填剤1gあたり10mLです。

4.サンプルの注入

平衡化したカラムにサンプルを注入します。カラムを通過したサンプル溶液には、目的とするターゲット化合物が含まれるので回収してください。最適な流速で通液することが重要です。一般に、自然落下での通液が良いでしょう。流速が速すぎると、不純物が十分に除去できない場合があります。