水溶性不純物の除去

珪藻土(ケイソウ土)を充填した ISOLUTE HM-N を使用します。

ケイソウ土は親水性の不活性支持体です。従来の液-液抽出(LLE)の代替手法になり、さらにエマルジョン形成を回避して再現性を向上させます。ISOLUTE HM-N は様々なフォーマットから反応スケールに合わせて選択できます。

ISOLUTE HM-N カラムは次のアプリケーションに使用できます。

  • 水溶性不純物の除去(洗浄)
  • 残存する水の除去
  • 水相抽出による反応溶液の処理(カラム中でのLLE)

溶媒

DCM やクロロホルム、酢酸エチル、ヘキサン、酢酸ブチル、トルエンなどの従来のLLEに用いられる一般的な溶媒が使えます。イソプロピルアルコールやアセトンなどの水溶性の官能基を持つ溶媒を使用する場合、極性溶媒が10%v/v未満になるよう調整してください。

最適なサイズのカラム選択

ISOLUTE HM-N カラムは処理できるキャパシティによって選択します。たとえば、ISOLUTE HM-N 1mLサンプルカラムは最大1mLの水溶性溶媒を吸収することができます。

水溶性不純物の除去(洗浄)の方法

  1. 水溶性バッファーをカラムに重力下で注入し、5~15分静置します。バッファーはケイソウ土に吸収されます。
    ・塩基性不純物の除去:1MのHClか同様の酸を加えたバッファーを使用
    ・酸性不純物の除去:1MのNaOHか同様の塩基を加えたバッファーを使用
  2. 水と混ざらない反応溶液(サンプル)を重力下で注入します。
  3. カラムを通過した溶液を回収します。この溶液はすぐ次の反応や濃縮に使用することが出来ます。
フォーマット 反応溶液(サンプル)量 最大バッファー量
標準カラム 5-40 mL 0.3 to 20 mL
タブレスカラム 3-6 mL 0.3 to 1 mL
バルク > 500 mL 2 mL/g

水の除去方法

ISOLUTE HM-N カラムは、反応溶液中に含まれる微量の水を除去※する際にも使用できます。充填剤1gあたり最大で 750μLの水を吸着することが出来ます。実際の給水能は使用する溶媒の種類に依存します。

  1. 反応溶液(サンプル)を重力下で注入します。水分は充填剤に吸着します。
  2. カラムを通過し脱水されたサンプルを回収します。水溶溶媒サンプルのための液相抽出操作で、ISOLUTE HM-N カラムは非水和溶媒に目的サンプルを溶出させることが出来ます。

※ 脱水にはISOLUTE Na2SO4ドライカートリッジも便利です。

液-液抽出の方法

水系サンプルのための液-液相抽出操作です。ISOLUTE HM-N カラムは水と混ざらない溶媒にターゲット化合物を溶出させることが出来ます。

  1. 最適なサイズのカラムに水系の反応溶液(サンプル)を重力下で注入します。ターゲット化合物がイオン性の場合、ターゲット化合物を中性化(分子型)することによって回収量が最大になります。塩基性ターゲット化合物の場合、反応溶液(サンプル)をターゲット化合物のpK値よりも2単位以上高い pH に調整します。反対に、酸性ターゲット化合物の場合、反応溶液(サンプル)はpK値より2単位以上低い pH に調整します。
  2. 完全に吸収させるため 5~15分静置します。
  3. 適切な水と混ざらない溶媒を重力下で注入し、目的化合物を含む濾液を回収します。