九州大学農学部 森林圏環境資源科学研究室 清水先生

天然物からの生理活性物質を単離、同定を効率化。
超高速フラッシュ精製装置 Biotage® Selekt で
精製時間を大幅に短縮!

精製の効率化を目指し Biotage® Selekt を導入。
天然物の精製時間短縮に大活躍

九州大学農学部 森林圏環境資源科学研究室 清水先生
九州大学農学部 森林圏環境資源科学研究室 清水先生
九州大学農学部 森林圏環境資源科学研究室 清水先生

九州大学農学部大学院 森林圏環境資源科学研究室では主に機能性表示食品の研究に取り組んでおられます。特にLOHASに注目され生活に関与する分野で成果を上げておられます。今回、超高速フラッシュ自動精製システム Biotage Selektを導入されておられる清水邦義先生にお話を伺いました。

― 先生の研究室名が珍しいと感じたのですが、改めまして森林圏の研究内容についてご説明いただけますか?

九州大学農学部 森林圏環境資源科学研究室 清水先生清水先生 :
我々の研究グループは様々な天然物や天然素材に対して“よろずや”的なアプローチ(化学的、生物学的)でこれらのメカニズムを解明し、機能性表示食品の開発や新しい機能を有した化粧品素材の開発を目指しています。
主に樹木やキノコ等の森林素材のみならず、オリーブやアルガンオイルの搾油残渣、海産物などから生理活性物質を単離、同定しそれらが有する機能性を解明しています。特に環境問題や高齢化社会及び廃棄物リサイクルまで現代社会のニーズにマッチした研究テーマを設定するようにしています。

◆Selektを導入し時短達成!

― 聞くほどに非常に興味深いテーマですね。すごく身近な感じがいたします。その中でBiotageの最新機種Selektを導入していただいた訳ですが、導入前はどのように精製を行っておられたのですか?

清水先生 :
オープンカラムですね。2kgぐらいのシリカで粗分画して、その後リサイクル分取、分取LCや分取TLCにより精製を行っていました。最終的に成分の単離同定まで最低でも2週間はかかっていました。スケールアップが難しい方法でした。

― そういった中でSelektを導入していただいた決め手は何でしょうか。

清水先生 :
これまで数週間かかっていた分画に要する時間が圧倒的に短縮されたところです。天然物由来の原料ですので、含有成分が多くなればなるほど精製にかかる時間は多くなります。単離の難易度にもよりますが、さらに分画に時間がかかる場合もあります。
Biotage Selektはオープンカラムと同様な直観的な操作が可能であり、これまで培ってきた精製技術をそのまま応用可能な装置だと思いました。また操作も非常に簡便であり、ディスプレイを確認しながら、グラジエント条件を設定できるため、分画のイメージが持ちやすいですね。

九州大学農学部 森林圏環境資源科学研究室 清水先生

― 具体的にはどの程度の短縮効果があったのでしょうか?

清水先生 :
先ほどのオープンカラムの場合、仮に100gのシリカゲルを充填して分取するスケールの場合、成分の単離までに最低2週間程度かかりますが、Selektを用いると最初のステップの分画が2時間で終了します。ここからさらに細かく精製を行っていくのですが、一番時間のかかる最初の分画が2時間で終了することで、成分の完全単離までに要する時間は数日へと短縮され、スピード感をもって単離が可能となります。また小スケールから中量までの精製ができるため、汎用性は非常に高いと思います。時短と汎用性が導入の決め手になりました。

― それだけの時短効果があるというのは驚きです。その他で導入前と比べ良くなった点はございますでしょうか?

清水先生 :
他社製品と比較するとサンプルの注入量が多く、精製時間が速いです。繰り返しになりますが精製作業が圧倒的に短縮されました。

栽培中のキノコ
栽培中のキノコ!

◆使いやすさに満足

― 今回は研究室の方にもご同席していただいております。ぜひ一言お願いします。

Dr. Yhiya (エジプトからの博士研究員):
他社の装置に比べメンテナンスも楽で助かります。50g程度の抽出液の精製はあっという間に終わり驚きです。ソフトも使いやすく、サンプルロスもないです!

竹本博士研究員:
時間で終わるのと、スケールアップの簡単さが他社と比べて優れていると思います。

清水先生:
研究室内では非常に好評で、海外からの研究員や学生が利用しています。一度Selektを利用してしまうとオープンカラムへは戻れないとの声もあります。(笑)

― 海外からの研究員の方のコメントは新鮮でした。Biotageの装置はグローバルでも同じ仕様で好評いただいているので、ぜひお友達にも広めてほしいです(笑)
合わせて使用していただいているFlash用カラムSfärシリーズはいかがでしょうか。

清水先生 :
そうですね、一般的に使用しているカラムより粒子径が細かく、分離度が向上しました。またカラムのサイズのラインナップもよく、うまく選ぶことでコストダウンにつながっています。

大阪薬科大学有機薬化研究室宇佐美研― その他Biotage製品についてご要望などありますでしょうか。

清水先生 :
今後の製品の発売プランなど是非伺いたいです。

― 来年度以降にELSDを予定しています。

清水先生 :
それは是非試してみたいです。天然物はUVにないものもありますので。期待しています。

― ご期待に沿えるように頑張ります。本日はお忙しい中、お時間をいただきましてありがとうございました。

インタビュー実施:2020年10月
PDFファイルダウンロード(610KB)

導入製品

超高速フラッシュ自動精製装置
Biotag® Selekt

URL: https://www.biotage.co.jp/products_top/flash-purification/selekt//

九州大学農学部 森林圏環境資源科学研究室 清水先生

利用機関

九州大学農学 森林圏環境資源科学研究室 伊都キャンパス

九州大学農学部は、大正8年(1919年)2月官制上設置され、大正10年(1921年)4月、1学科10講座で授業を開始した。爾来、モンスーンアジア地域に近接した基幹大学として、教育研究の質と量にわたる発展をとげ、学科・講座の拡大・拡充を繰り返してきた。平成12年、新たな学問分野の進展に対応した学際的・国際的な研究の推進を容易にすることを意図して、大学院重点化の達成と学府・研究院制度の導入に基づき、大幅な組織改編が行われています。