アプリケーションデータベース

分析アプリケーション学会発表ポスター

ユーザーインタビュー

ISOLUTE & EVOLUTE
シリンジカラム寸法

フラッシュカートリッジ選択ガイド




カタログダウンロード
(右クリックからファイル保存)


サンプル前処理製品
総合カタログ

サンプル前処理製品総合カタログダウンロード
(49ページ/3.7MB)



ISOLUTE SLE+
ユーザーガイド

ISOLUTE SLE+ユーザーガイドダウンロード
(12ページ/2.0MB)



有機合成製品カタログ
有機合成製品カタログダウンロード
(10ページ/2.2MB)



ペプチド合成カタログ
ペプチド合成カタログダウンロード
(8ページ/1.3MB)



HOME > ユーザーレポート > 徳島大学薬学部医薬資源学講座生物有機化学研究室ユーザーインタビュー

Biotage User Report

ユーザーレポート「徳島大学薬学部医薬資源学講座生物有機化学研究室」

まぶしカラムにも対応。
Isolera Spektraで大量精製時間を短縮

―Isolera Spektra をDNA, RNAの化学合成に活用―

徳島大学薬学部医薬資源学講座生物有機化学研究室
徳島大学薬学部医薬資源学講座生物有機化学研究室

徳島大学 大学院医歯薬学研究部・生物有機化学分野では核酸医薬品創製研究の中で、バイオタージのフラッシュ自動精製装置「Isolera Spektra」をご活用いただいています。核酸系化合物の有機合成独特の研究内容から、オートカラム装置導入のきっかけと装置選択の条件、導入後のご感想など、今回は同研究室の田良島典子助教と学生さん3名にお話をうかがいました。

― 最初に、ご研究内容についてご説明いただけますか。

田良島先生 : 私たちの研究室では、オリジナルの構造を持ったDNAやRNAを化学合成して、それを使って医薬品の創薬研究をするということが一番大きな研究の流れとなっています。大学ですので、実際に薬を作るところまではいきませんが。。。

多くの有機合成系の研究室では、なにか目的の化合物を決めて合成すると終了、となると思いますが、DNAやRNAの場合は、ヌクレオチドポリマーを構成するヌクレオシドユニットを、全合成のように何工程もかけて合成してきたところからメインの研究がスタートします。そこまでの大量の合成・精製の時間を少しでも加速させたいという気持ちから、オートカラムシステムに興味を持ち、導入を検討するようになりました。

― 実際、装置を導入する前はどのくらい時間がかかっていたのでしょうか。

田良島先生 : 正確な時間は計っていません。ですが、研究室に配属される学部3年生後期からおよそ修士2年の夏までの研究期間がヌクレオシドユニットの有機合成に費やされるということも多くあるので、学生たちはその間ずっとカラムに追われてしまうという状況にはあると思います。

太田さん : はい、そのとおりです(笑)。

田良島先生 : ヌクレオシド合成の場合、基本的にはすべてのオープンカラムクロマトグラフィーを順相系で実施しています。ただし、核酸系化合物の場合、ほとんどのカラムはクロロホルムとメタノールの系で行うことになります。

太田さん : ヌクレオシド系化合物は基本的に極性の高い化合物なのでクロロホルム-メタノール系の溶媒でオープンカラムクロマトグラフィーを行うことが多く、化合物をシリカゲルなどに吸着させた“まぶし”を作ってからカラムを行うというパターンですね。

決め手は「まぶし」ができること
―多彩なサンプルチャージが魅力的なSNAPカラム

徳島大学薬学部医薬資源学講座生物有機化学研究室

― なるほど。まぶしカラムをしておられるのですね。ということは、基本的に移動相より極性の高い溶媒で溶かしているわけですよね。どのようなものをお使いでしょうか?

田良島先生 : クロロホルムとメタノールの混合溶媒か...ひどい時にはメタノール溶液だけということもありますね。何故か本来の極性なら溶けるはずなのに、ヘキサン-酢酸エチルの系でカラムを行えるような場合でも、ヌクレオシド系化合物は析出してしまうことも多いです。

よほど不安定でなければ、第一選択は「まぶし」になりがちです。4年生ぐらいだと、たまに「まぶしカラムしか知らない」、何てことを言い出す学生がいます(笑)。不安定な化合物をカラム精製操作の途中で分解させてしまい、後から話を聞くと、「どうしてそんなものをまぶすの!」って驚いてしまうこともあります。

太田さん : むしろ、まぶししかやってませんよ(笑)

― なるほど、それほどまぶしを多用されているのですね。そのようなご研究の中でIsolera Spektraを使用されたきっかけを教えていただけますか。

田良島先生 : オートカラムを入れようと決めてから、各社の製品を検討させて頂きました。実は導入する2年ほど前に一度、他社の製品をデモしたことがありました。ですが「これはダメだ」という結論でしたね。分離能の面で期待したほどでなかったということもありますが、“まぶし”を多用する我々のスタイルに対して相性が良くない(効率的でない)と感じたからです。私たちが各社の製品を検討する上で、最も重要視していたことは「まぶしをどこに入れるか」という点でした。やはり私たちの研究室ではそれができないと厳しいですね。

それから2年ほど経って、やっぱり諦められなくて…再び探しはじめました(笑)。そのときに、代理店さんからバイオタージさんの製品を紹介していただきました。見ると「このカラム、蓋が開くよ! まぶしができるよ!」って気づいたのです。あれは衝撃でした(笑)。

結局、“まぶし”を多用する我々のスタイルに対して、バイオタージさんの製品は非常に相性が良かった訳です。Isoleraを選んだのはこれが決め手でした。
今は変則的にZIPカラムに空のカラムを付けて使っていますが、こういう手法のことも考慮された装置であれば、私たちの研究室でも十分使え ると思って導入を決めました。

― SNAPカラムのことですね。あのカラムは2008年発売ですが、既にまぶしの概念がありましたね。見つけて頂けて本当に感謝いたします(笑)。

ヌクレオシドユニット4種類の合成は
合計で約50工程。Isolera導入で時間短縮

― 大量スケールでの合成反応-精製を繰り返しておられるわけですが、1反応はどのくらいの時間がかかるものでしょうか?

田良島先生 : 1反応あたり数時間ですね。1反応自体は短いのですが、私たちの研究室では、DNAやRNAをベースとした研究のスタートラインに立つためにヌクレオシドユニットを揃えるまで何工程あるかな? 50工程も無いと思いますけど…。

太田さん : えっと、A(アデノシン), G(グアノシン), C(シチジン), U(ウリジン)の4種類を揃える必要があるので、やっぱり合計で50工程近くなりますね(笑)。

徳島大学薬学部医薬資源学講座生物有機化学研究室

― えっ、50工程ですか? 通常のオープンカラムで1反応2~3時間として、それだけ繰り返すとなると・・・、ちょっとそれは大変な時間ですよ!

田良島先生 : そうですかね。もちろん合成ルートの検討を含みながら実験を進めて行きますし、合成したヌクレオシドユニットを使ってDNAや RNA合成を行うためにはそれなりの量的供給が必要となります。なので、カラム精製に要する時間は結構多いかもしれません。それだけの工程を繰り返して、ようやく出発原料が揃うという感じでしょうか。この過程でのカラム精製時間はバカにならないですよ。
核酸A, G, C, Uの4種類は、似たような反応で似たような精製物を得るだけでも、全然違う「顔」なので4種類別々の作業を必要とします。今はIsoleraを使うのでかなり時間短縮できています。

― 学生のみなさんは、Isoleraを使ってみて良かった点などはございましたか?

和田さん: 以前は、夜22時頃からオープンカラムを始めると溶媒留去にも時間を要するため、全部終わって片付けて時計を見ると、既に日付が変わって午前2時とか…、ありましたねぇ(笑)。今は夜遅くなっても時間を気にせずにカラムかけられるのが良いですね。

井形さん : 機械を使うようになって、「もう帰らないといけないから(カラムはやめとこう)」とか「今日はもう遅いから明日にしよう」っていうのがな くなりましたね。すぐに終わっちゃいますから(笑)。

― なるほど、以前は数時間かかる作業だから夜遅く始めると大変なことになったわけですね。今なら数分で終わりますね。

田良島先生 : 夜中に実験をする学生は何かしらのミスをすることが多いのですが、機械は常に正確にやってくれるから良いですね(笑)。

Spektraで2種類のUV検出、全吸収を3Dチャートで必ず確認

― 今回、Spektraを付けさせて頂きましたが、精製の作業時に使ってみて便利になったと感じる点などはございますか?

田良島先生 : はい、UVが2つ検出できる点ですね。また、全吸収が同時に見られるのはありがたいです。ピークが出ているときにその化合物の全吸収が同時に出ている、いわゆるPDAシステムは核酸化学の研究者にとって、非常にうれしいものです。
核酸系化合物の場合、保護基の種類にもよりますが、得られた化合物のUVスペクトルを見て、「目的化合物のピークはこれだろう」というように結構参考にしています。正確な構造確認が出来るわけではありませんけどね。

核酸化学の研究者はHPLC分析などでもPDAでの解析結果を参考にする習慣がついているので、3Dチャートを必ず見て怪しくないかどうかをチェックしていますね。

もちろん学生たちには、最初は自分の手を動かしてオープンカラムをやってもらっています。

徳島大学薬学部医薬資源学講座生物有機化学研究室

私たちの研究室の南川典昭教授は当初、学生がオートカラムシステムを使うことには抵抗感があったようです。やはり教育的かどうかという点では、判断が分かれるように思います。
でも、私達の意見を尊重して装置の導入を決めてくれたのは南川教授なので、研究のスピードアップを通して恩返しをしなければと思っています。

オートカラムを上手に使う学生は本当に仕事を早く進めますね。今後どんどん進めて行けたら、と思います。量的供給の段階に入るとスピードが重要なので、上手に使って加速できるようにね。

― 学生さんたちは使ってみていかがですか?

太田さん : どの極性でどの化合物がどれだけ溶出したかという精製結果をUSBに保存できるので、すごく便利ですね。結果を見て、次の実験 時の改善に役立てることができます。スケールアップも計算しやすいです。

大量合成に活用したい。第3溶媒添加専用ラインの追加も期待

― Isolera Spektraについてデメリットやご意見、ご要望などがございましたら是非お願いいたします。

田良島先生 : DNAやRNA合成の原料となるヌクレオシドユニット(ヌクレオシドホスホロアミダイト誘導体)を合成するために、ジメトキシトリチル基をかけるのですが、この際のカラム精製ではピリジンとかトリエチルアミンを1%添加することを選択するケースも多くあります。これを自動で混合出来る今のシステムも良いのですが、そのための専用ラインが最初からもう1本あればと思っています。
各ラインにヘキサン、酢酸エチル、クロロホルムおよびメタノールをセットした上で、さらに添加溶媒を自動で何%混ぜるという添加専用のラインが欲しいです。

― なるほど、第3溶媒添加の専用ラインのことですね、参考にさせていただきます。では最後に、今後のご研究プランなどがございましたら教えていただけますか。

田良島先生 : まず、Isoleraを導入して、一番やりたいけどまだ実験のタイミングが合わなくて実現していないことがあるのです。
それは1年間で数回、大量合成をするシーズンがあって、その時期になるとオープンカラムのために実験台の横に一斗缶を置きたくなるようなペースで溶媒を使ったのですが、是非ともそういう部分にIsoleraを活用したいですね。大きなカラムをつけて、機械でパッと済ませたいと思います。溶媒も少なくて済みますからね。

いわゆるヌクレオシドユニットA、G、C、Uの4種に分かれる前の共通合成段階は、さらに4倍スケールで合成を行います。その先の合成ルート検討に苦戦して化合物を消費してしまった場合、また一から再合成です。

DNAやRNA合成の原料となるヌクレオシドユニット(ヌクレオシドホスホロアミダイト誘導体)の合成もD-リボースなどの出発原料から合成を繰り返して作り上げていきます。そこまでやって、ようやくDNA・RNAを基盤とした核酸創薬研究の下準備ができた段階です。これではまだ学会や論文発表できるものではありませんし、皆それぞれ、そこから先の研究テーマがあります。時間と手間隙がかかるし、まさに体力勝負です(笑)。

徳島大学薬学部医薬資源学講座生物有機化学研究室

太田さん : 大量合成をやるときは、それだけで1日が終わる感じです。

田良島先生 : 今後の研究課題では、最近のこの分野の風潮として時間のかかる“有機合成”から離れる傾向にありますが、私はもっとやり続けたいと考えています。
ここにいる学生たちは先日初めて学会に行って、自分たちは長い合成ルートを課題にしすぎている、と感じたかもしれません。
でも南川教授も私も、オートカラムシステムを上手く使ってもらい、彼らの有機合成実験をもっともっと増やしたいと考えています(笑)。

学生一同 : (えー、そんな・・・)

― 貴重なご意見ありがとうございます。本日はお忙しいところ、皆様どうもありがとうございました。

インタビュー実施:2016年11月8日PDFファイルダウンロード(1.5MB)


導入製品 フラッシュ自動精製装置
Isolera Spektra
url: http://www.biotage.co.jp/isolera_top

徳島大学薬学部医薬資源学講座生物有機化学研究室

精製に対するケミストの要望を最大限取り入れた、コンパクトな最新のフラッシュ精製システムです。Spektra(オプション)では、全波長スペクトルスキャンにより、ベースライン補正ができるだけでなく、より化合物認知を確実に行い、取りこぼしなく化合物を回収します。

導入機関 国立大学法人 徳島大学 url: http://www.tokushima-u.ac.jp/ph/徳島大学は、明治期の官営専門学校合併から徳島医科大学を経て、1949年に国立大学徳島大学として開設されました。現在は6学部と大学院と付属病院など専門研究施設を持ち、四国産学官連携にも力を注ぎます。薬学部は、1922年日本薬学界の開祖・長井長義博士が徳島工業学校応用化学科・製薬化学部を設立したことが起源となります。現在、薬学科・創製薬科学科から成り、薬の専門家として医療に深く関わる使命感と倫理観を持ち、福祉と健康に貢献する人材育成を目指します。