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Biotage User Report

ユーザーレポート「北海道大学大学院薬学研究院 創薬科学研究教育センター」

安全性と効率性で
アカデミア創薬を成功に導く

~ リード化合物最適化のための誘導体合成にマイクロウェーブ合成装置「Initiator」と
フラッシュ自動精製システム「Isolera Prime」を活用 ~

北海道大学大学院薬学研究院 創薬科学研究教育センター
北海道大学大学院薬学研究院 創薬科学研究教育センター

北海道大学大学院薬学研究院の創薬科学研究教育センターでは、リード化合物最適化のための誘導体の合成と精製に、バイオタージの「Initiator」1台と、「Isolera Prime」2台を導入し、フル活用しています。その稼働率はきわめて高く、とりわけ安全で効率的に研究を行うための不可欠のツールとしてご評価いただいています。今回は、創薬科学研究教育センター・有機合成医薬学部門の堺谷政弘准教授にお話をうかがいました。

北海道大学大学院薬学研究院 創薬科学研究教育センター

― まず、創薬科学研究教育センターの概要を教えてください。

堺谷先生 : 北海道大学大学院薬学研究院の創薬科学研究教育センターは2011年4月に創設されました。わたしはそれまで民間の製薬会社(中外製薬)に勤務していたのですが、北大でアカデミア創薬をやるというので、これまでの経験も生かせると考え、2012年1月から参画しました。ここは、文部科学省「創薬等プラットフォーム制御拠点」の全国6拠点のひとつであり、コア拠点である東京大学創薬機構が持っている21万化合物を利用して、実際の系でスクリーニングを行っていくことが当センターの使命です。また、北大でも独自の化合物ライブラリーをつくっていて、それも学内・学外で利用してもらっています。

わたしが所属している有機合成医薬学部門ですが、スクリーニングでヒットが出ると、ヒットトゥリードを行うために、だいたい30から100くらいの誘導体を合成していく必要があります。構造活性相関を明らかにしつつ活性を上げたりしていくわけですが、単に活性だけでなく、ADMET(体内動態および毒性)の評価や動物モデルでの薬効評価などの高次の評価系も組み込んでいることが特徴です。水溶性、膜透過性、代謝安定性、CYP阻害などを調べ、最適化していくわけですが、これはアカデミアではまだ一般的でないと思います。

最終的には、北大の産学・地域協働推進機構、臨床研究開発センター、およびノーステック財団等と連携しながら、新薬候補の特 許申請まで持っていくことが私のグループの使命です。


大学から企業への橋渡しが必要、ベンチャー育成がカギ

北海道大学大学院薬学研究院 創薬科学研究教育センター

― 企業での創薬と大学での創薬にはどのような違いがあるのでしょうか。

堺谷先生 : 最近の企業はアーリーステージに力を入れることができなくなってきています。創薬ターゲットが具体化してからのレートステージがスピード勝負になっていて、そこに資源をつぎ込まなければならないからです。逆に、大学には特定の疾患とターゲットの関係を探索・評価するなどのアーリーステージで仕事をしている先生がたくさんおられます。

それで、企業は大学と組んだり、ベンチャーを買収したりして、アーリーステージの成果を取り入れるようになってきたのです。そもそも、かかる費用も段違いで、大学の研究費で行える範囲はADMETや動物モデルで薬効を評価するのがせいぜいです。非GLPの安全性や毒性の評価になると3000万~5000万円、その先のGLPでは3億円とかの費用がかかりますので、大学ではとても無理ですね。

企業としては、少なくとも動物モデルで効くことがわかった段階から手がけたいのです。実はそのところが“死の谷”と呼ばれていまして、いままでのアカデミアの仕事でそこまでを埋めていくのは困難です。そこをカバーすることが当センターの最大のモチベーションのひとつですが、そのためにはベンチャーの育成も重要です。大学の先生では、非GLPにかかるような大きな資金を扱うことはできません。つまり、大学-ベンチャー-企業という階層構造が必要なのです。

安全と効率を両立、仕事量は多いが長時間労働は不要

北海道大学大学院薬学研究院 創薬科学研究教育センター


― なるほど、よくわかりました。では、バイオタージ製品をご導入いただいた経緯を教えていただけますか。

堺谷先生 : マイクロウェーブ合成装置「Initiator+」とフラッシュ自動精製システム「Isolera」を同時に入れたのですが、どちらも企業にいるときに使用していた機器でした。安全性を高めながら業務効率を上げるにはどうするかを考えた結果、当時わたしが選定したのがこの2機種です。マイクロウェーブ合成装置はとにかく速いです。2日くらいかかかっていた反応が10分とか15分で完了します。1日に10回とか条件検討ができるわけですから、その効率はケタ違いです。精製装置のカラムの方も、以前は処理に3時間くらいかかったのが15分から30分ですみます。溶媒使用量も3分の1になりました。効率が良くなるし、環境も良くなるし、安全も担保されている、というわけで企業の時代には絶大な効果がありました。それで、北大へ来たときに、効率的に誘導体合成を行うために必須のツールとして導入させていただきました。

実際、稼働率は高いです。「Initiator」が年間1500反応、「Isolera」も年間1000本以上を処理しています。フォーカスライブラリーをつくってスクリーニングして、構造活性相関を解明して、それを踏まえて第2次ライブラリーをデザインしてまたスクリーニングしてというふうに、学生も含めてやっていますので処理量は多くなりますね。あるものは膜透過性がない、あるものは代謝安定性が悪い、あるものはCYP阻害するといった問題が出てきますが、そういう時に誘導体の数があると問題を克服しやすいので、たくさんつくることが最適化のステージでは重要です。私のグループではいま、6テーマが走っていますが、1年間で活性を100倍から1000倍上げていくようなサイクルで仕事をしています。わたし自身も、年間150化合物くらい合成しますよ。仕事量は多いですが機械が速いので、人間が長時間働かなくてもさくさく仕事は進むのです。

メドケムの要求にかなう機能・性能、優れたカラムデザイン

― ご評価いただきありがとうございます。あらためて「Initiator」と「Isolera Prime」の利点についてお話しいただけますか。

堺谷先生 : やはり安全と効率が両立しているということにつきますね。それに「Isolera」のメリットは再現性が良く、誰がやっても同じ純度のものが得られます。カラムのサイズも豊富で、シリカの充填量で10グラムから5キログラムに対応するものまで揃っており、すべてほぼパラレルで使えるのはこの機械だけでした。CMC部門なら数十キログラムつくるケースもありますが、われわれメディシナルケミストの要求するところはフルにカバーしていると考えていいですね。

それに、「Isolera」のカラムもよくデザインされていると思います。われわれの場合、糖鎖などの粘性の高いサンプルが多いので、他社のカラムだとうまく入らないのです。バイオタージのカラムは内ぶたがあり、空気で押すことができるのでとても充填しやすいです。実は一度、他社のカラムを使ってみたことがあるのですが、ほとほと困って、バイオタージの純正カラムに戻しました(笑い)。装置のコンパクトでスタイリッシュな外観も気に入っています。

また、「Initiator」ですが、これだけ使っていると、年に数回はサンプルが破裂することもあるのですが、使用者の安全は担保されてお り、部品のストックさえあれば復旧も早いですから、とくに問題は感じていません。「Isolera」も含めて稼働率は高いですが、機械的な故障はほとんどありませんね。

北海道大学大学院薬学研究院 創薬科学研究教育センター

― 逆に不都合な点、ご要望などはございますか。

堺谷先生 : 実は、来年3月末で北大を退任する予定です。すでに仲間と北大連携型の創薬ベンチャー「ライラックファーマ」を設立していまして、そちらでもあらためて「新型Initiator+」と「Isolera」を導入したいと考えています。前段で説明したように、アカデミア創薬から企業の新薬開発へつなげる橋渡しが重要であり、そこを担おうというのが新会社の狙いです。とくに、新薬候補化合物の最適化と非GLPのところの溝を埋め、アンメットメディカルニーズの高いパーキンソン病治療薬などの企業へのライセンスを狙っていきます。


― 先生のこれからのご活躍を期待します。今日は長時間ありがとうございました。

北海道大学大学院薬学研究院 創薬科学研究教育センター         北海道大学大学院薬学研究院 創薬科学研究教育センター      

インタビュー実施:2016年10月PDFファイルダウンロード(1.8MB)


導入製品 フラッシュ自動精製装置 Isolera Prime マイクロウェーブ合成装置 Initiator url: http://www.biotage.co.jp/products_top有機合成分野で圧倒的な人気と信頼を得ているBiotage主力製品。
コンパクトでパワフルな装置は、研究スピードと効率UPに貢献します。

導入機関 国立大学法人 北海道大学 url: http://www.hokudai.ac.jp/北海道大学は、明治初期に最も早く設立された高等教育機関のひとつである札幌農学校 として1876年に創設されました。初代教頭のクラーク博士が札幌を去る際に学生に残した、「Boys, be ambitious!」というモットーは、日本の若者によく知られた言葉です。長い歴史の中で育まれた「フロンティア精神」、「国際性の涵養」、「全人教育」及び「実学の重視」という教育研究に関わる基本理念を掲げ、国際的な教育研究の拠点を目指して全学が一丸となって努力しています。。

設 立:1876年7月
教職員数:4009名
学生数:11824名(学部)、6250人(大学院)
*2016年5月現在